[日々の1000] パラブーツ シャンボード

松浦弥太郎の日々の100に影響を受けまくって始めているこの[日々の1000] シリーズ。先日、「靴を磨くということ ~B-boyもビジネスマンも靴を磨く~ 」と題した記事を書きましたが、今回は私が所有している靴の中でも一番大好きな靴、パラブーツのシャンボードを紹介します。この靴は買った時の思い出も、履き始めてからの思い出も、語りだせばキリがないほど濃厚です。今日はほんの触りだけ紹介したいと思います。

靴を磨くということ ~B-boyもビジネスマンも靴を磨く~
世の中には色々な人がいて、その分だけ色々な趣味がありますが、靴磨きが趣味の人はそんなに多くないと思います。ですが少数派ながら靴磨きが趣味の人...

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2012-13年、パリの思い出

シンガポールに赴任する前の最後の年末は、パリで過ごしていました。その年は、GWにイタリア、お盆にはギリシャ、そして年末年始にはフランスとDINKs(Double Income No Kids)の特権を最大限に生かして海外旅行に明け暮れていた年だったのですが、その中でも最後に訪れたパリは特に印象深い旅行になりました。

休暇はたっぷり10日程あったので、まず初めにルーブルやオルセー、オランジェリーなどの美術館を数日かけてたっぷり見学しました。私も妻も印象派の画家が大好きです。(正確には単純に妻から影響を受けただけ。)日本では特別展の目玉となるような絵が普通にたくさん掛かっていることに興奮しながら、美術館をゆっくり堪能していきました。

計画としては、この後、電車でモンサンミッシェルまで行って、一日宿泊する。年が変わる前にパリにまた戻ってきて、元旦はモンマルトルの丘などでゆっくり過ごすというものでした。

計画は綿密に組めば組むほど、その通りには行かなくなるもの。この時も事件が起こりました。大晦日の夜に妻が体調不良を訴えだしたのです。夕食は軽めにスープのみとし、その日は早く寝て翌日、病院に行きました。(妻はあまりの腹痛で全然寝れなかったようですが、、、)結果は食中毒。モンサンミッシェルの生ガキが当たったようです。

当然、元旦はホテルから出れない訳なのですが、問題は食事。元旦のパリは、ほとんどどこも店が開いていません。コンビニエンスストアなんてありませんから、(MONOPや、カルフールの小さいスーパーはあるけど、24時間じゃないし、日本のコンビニとは全く違う。)食料が調達できません。ホテルのルームサービスはオープンしてますが、どれもこってりしていて食べられるものがありません。唯一オニオンスープなら食べられると思って頼んでみたところ、上にはパイ生地が被さっており、中にはフランスパンがひたパンされ、チーズが山盛り。スープというよりグラタンという代物でした。(たしか20ユーロくらい取られた。)結局それは自分ですべて平らげ、妻の要望を聞いてから、一人で街に出ることにしました。

妻が言う(ほとんど呻く)には、フルーツなら食べれるとのこと。フルーツを求めてひとりパリの街を彷徨う事になったのです。

案の定、パリの街中は静まり返っており、開いている店と言ったら飲み物や新聞を売っている小さな店くらいのものでした。散々パリ1区を歩き回ってよーーーやく見つけたそのお店で、ミネラルウォーターを買うことが出来、そのタイプのお店ならやっている事が分かったので、似たような店をいくつか探し始めました。3件目のお店で、カップに入ったフルーツも売っていました。種類はアメリカンチェリーのみだったのですが、それを見た瞬間に神様に感謝しました。ですが値段を聞くと40ユーロ。高いのは覚悟していましたが、まさかこれ程とは。14(フォーティーン)と、40(フォーティー)を聞き間違えているのかと思い、何度も聞きなおしましたが、やはり40ユーロでした。もしかしたら日本人だからなのかもしれませんが、面倒な事になってアメリカンチェリーが手に入らなくなるのは困るので、その高額なチェリーを買って帰りました。

妻はそのアメリカンチェリーをペロっとほぼ一瞬で食べ終わってしまい、それから段々と体力も回復してきました。その1カップのアメリカンチェリーの値段は、妻が元気になってから告げました。

巧妙な作戦で欲しかった靴を手に入れる

靴と全然関係ない前振りが長くなってしまいましたが、フルーツを探して彷徨う途中、コンコルド広場からサントレーノ通りをルーブル美術館の方向に向かう途中に、パラブーツの路面店がある事に気づいていました。パラブーツはフランスのプロダクトで、日本で買うよりも現地で買った方が安いことはインターネットの情報で分かっていたので、ひそかにこの旅行で買えるチャンスがないか伺っていたのです。

元旦はずっとホテルで寝ていた妻も、2日目にはだいぶ良くなってきており、元旦はチェリーしか食べていないのでさすがに何か食べないとまずいだろという事で、お昼は外で食べる事になりました。ですが、日本人が病み上がりに食べれるような料理を出しているレストランなんてパリにはそう多くありません。

私は前日の大捜査のおかげで、パリ1区の情報はほぼ完ぺきになっていたので、すぐさま日本食レストランを提案しました。せっかくパリまで来たのに悪いねと、妻は何度も私に謝りながら、二人で日本食屋に行くことになりました。

ですが、私はパリにまで来て日本食を食べることが全然嫌ではありませんでした。というのも、この日本食屋さんがなんと先述のパラブーツ路面店のすぐ近くにある事を私は知っていたのです!

私は日本食屋さんに行く途中、妻に自分が靴をどれだけ欲しているかを説明し、食事のあとに、ついに高価な靴を買うことに成功したのです。

Paraboot4

今まで履いていた靴の相場は、スニーカーに毛が生えた程度のものでした。ですが、この手のしっかりした靴は、はっきり言って高価です。高価な靴を買う事に対して、今回のような特別なことがない限りは恐らく妻からOKは出なかったでしょう。

ですがこの時にこの靴を買って本当に良かったと思っています。良い靴は本当に長持ちするので、私がこの靴をピカピカに磨いているのを見たら妻は、あぁ買ってよかったなと思っているはずです。言葉で説明するのは難しいですが、実際にモノを見て、大事に使っているところを見ると全然違います。この靴がきっかけとなり、私は靴にお金をかけられるようになりました。

パラブーツというメーカー

Paraboots

このメーカーはフランスに本拠地を構えるメーカーです。日本では青山に直営店がありますが、日本全国のセレクトショップ(ユナイテッドアローズや、ビームス、トゥモローランドなど)で取り扱っている場合もあります。

歴史は100年以上もあり、フランス国内にとどまらず、今や世界でブランドは確立されています。オーチバルのように、フランス製品にもかかわらず日本でしか見ないような製品もありますが、パラブーツはフランス人にも根強い人気があります。

パラブーツの靴は、緑色のタグが付いていることがポイントです。私のは磨きすぎて茶色くなってきてしまっていますが、新品のものはもっと美しい緑色が特徴的です。このタグが好きなので、なるべくクリームが付かないようにしていますが、ブラシを全体的にかける時にどうしても色が変わってきてしまいます。今はそれも含めてこの靴が好きです。

Paraboot3

また製法は質実剛健の、ノルヴェイジャン製法で作られています。通常、高価な靴は、イタリア靴に多く見られるすらっとした形が特徴のマッケイ製法か、イギリス靴などのような、ぼてっとしたフォルムのグッドイヤーウェルテッド製法に分かれます。ノルヴェイジャン製法というのはグッドイヤーウェルテッドのようにウェルトという素材を使うので、グッドイヤーウェルテッド製法に似ているのですが、ウェルトがアッパーの外に出ていることが特徴で、見た目は大きく違います。パラブーツはこのノルヴェイジャン製法のトップランナーです。この製法は、グッドイヤーウェルテッド製法に比べて、雨に強い特徴があります。さらにシャンボードはオイルが染み込んだオイルドレザーを採用しているので、雨に対しては敵なしなのです。

雨の日も、大事なプレゼンの日も、飲み会も、一緒。

靴との出会いについて、思い出をタラタラ書いてきましたが、靴を磨くときにはこの靴をはいていった日の思い出を思い出します。最近では、アトランタに出張に行ったことを思い出します。初めてのアメリカ出張で、自分のプレゼンの時はものすごく緊張したのですが、この靴を見て、今まで乗り越えてきた山場を思い出したことで緊張が和らぎました。

雨や風などの天候に関わる事だけでなく、いくつものイベントをこの靴と乗り越えてきました。今やどんな靴も代わりにはなれない、たった一足の大事な靴です。

パラブーツは手入れも特別

パラブーツの靴は手入れも特別です。他の靴に対してつかうクリームはすべてサフィールというメーカーで統一していますが、パラブーツだけは専用のオイルを使っています。オイルドレザーを使用しているため専用のクリームが必要になるのです。

軽く馬毛のブラシで埃を落としてから、ステインリムーバーで汚れや油を取り、そこにクリームを薄ーく塗って伸ばす。そしたら豚毛のブラシでなじませて、後はひたすらブラッシング。たまにポリッシュでつま先を鏡面仕上げにしますが、それは特別な時だけ。

この単純な作業ですが、専用のクリームがあると特別な気がします。

パラブーツではもう一足、バースというデッキシューズのモデルを所有しているのですが、こちらもいずれ紹介したいです。

Paraboot1

さて、如何でしたでしょうか?靴の紹介というよりもそれにまつわる自分の思いでばかりタラタラ書いてしまい、あまり靴の事が書けませんでした。。。反省。

良い靴(長く履こうと思って、大枚はたいて買う靴)は、選ぶ時にサイズ感や色がどのように変わっていくかなど、実際にお店に行って、店員さんと相談しながら買うことを強くお勧めします。いくら安くてもネットで買う事だけはしないで下さい。それでは、また、今後も自分の大好きなものをアップしていきたいと思います。

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