[映画]レナードの朝 (Awakings)

レナードの朝という映画があります。 米国でのタイトルはAwakings。個人的にはレナードの朝の方がしっくりきますが、オリジナルのタイトルはAwakingsなので、単純に「目覚め」や、「覚醒」といった意味でしょうか?

この映画は、ある特殊な病気を扱ったノンフィクション映画で、そのシンプルだけれども重たい、事実に基づいたストーリーを、(全盛期の)ロバートデニーロと(全盛期の)ロビンウィリアムズの共演による最強のキャストが演じます。この種のノンフィクション映画だと、役者のキャラクターが立ち過ぎるあまりに、肝心の内容が薄っぺらくなってしまうパターンがありますが、この映画ではそんな事は全くなく、ストーリー性も含めて傑作中の傑作と言える作品です。「ショーシャンクの空に」や、「グッドウィルハンティング」などと一緒に、大好きな映画の一つとして挙げている方もいますが、まさにそれら名作と肩を並べる事の出来る映画です。

今日はこの映画を紹介したいと思います。

レナードの朝
監督    ペニー・マーシャル
脚本    スティーヴン・ザイリアン
出演者   ロバート・デ・ニーロ
ロビン・ウィリアムズ
日本公開 1991年4月5日
上映時間 121分

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あらすじ

まずはあらすじを。今回はちょっと長いですがWikipediaから引用します。

1969年、人付き合いが極端に苦手なマルコム・セイヤー医師が、ブロンクスの慢性神経病患者専門の病院に赴任して来る。そもそも研究が専門であり、臨床の経験の全くないセイヤーは、患者との接し方で苦労するが、本来の誠実な人柄で真摯に仕事に取り組む。そんなある日、患者たちに反射神経が残っていることに気付いたセイヤーは、ボールや音楽など様々なものを使った訓練により、患者たちの生気を取り戻すことに成功する。更なる回復を目指し、セイヤーはパーキンソン病の新薬を使うことを考える。まだ公式に認められていない薬ではあるが、最も重症のレナードに対して使うことを上司のカウフマン医師とレナードの唯一の家族である母親に認めてもらう。当初はなかなか成果が現れなかったが、ある夜、レナードは自力でベッドから起き上がり、セイヤーと言葉を交わす。30年ぶりに目覚め、機能を回復したレナードは、セイヤーとともに町に出る。30年ぶりに見る世界はレナードにとって全てが新鮮であり、レナードとセイヤーは患者と医師との関係を超えた友情を育む。

この成功を踏まえ、セイヤーの働きに共感した病院スタッフらの協力の下、他の患者たちにも同じ薬を使用することになる。すると期待通りに、全ての患者が機能を回復する。目覚めた患者たちは生きる幸せを噛み締める。

ある日、レナードは、父親の見舞いにやって来た若い女性ポーラと出会い、彼女に恋をする。そして病院から1人で外出したいと願い出るが、経過を慎重に観察したい医師団から反対される。これに怒ったレナードは暴れ出し、それをきっかけに病状が悪化し始めるとともに凶暴になって行く。子供の頃から大人しい性格だったレナードの変貌ぶりに、レナードの母はショックを受ける。

セイヤーの努力も虚しく、病状が悪くなる一方のレナードは、自分のような患者のために自分の姿を記録にとどめるようにセイヤーに頼む。そんなレナードの姿にセイヤーは自分の無力を強く感じる。そして遂に、レナードをはじめ、同じ薬を使った患者たちは全て元の状態に戻ってしまう。

自分のしたことに疑問を感じ、罪悪感すら抱くセイヤーを、常に彼を支えて来た看護師のエレノアは優しく慰める。そして、患者たちとの交流を通じて、生きていることの素晴らしさ、家族の大切さに気付かされたセイヤーは、これまで意識的に距離をとっていたエレノアとの距離を縮める。

セイヤーらは、その後も治療を続け、患者たちの状態が改善することもあったが、1969年の夏に起きたような目覚ましい回復が見られることはなかった。

これは嗜眠性脳炎という、眠り病ともいわれる奇病を取り扱った映画です。この病気は、まさにその名前のごとく、眠っているかのようになってしまい、まったく介護なしでは生活できなくなってしまう病気のことです。映画の中では「魂の不在」と表現されています。

映画のタイトルはAwakingですが、その新薬が発見されてハッピーエンドという訳ではなく、新薬が発見されて束の間の幸せの後に、その耐性により効果が薄れてしまい、最終的にまたもとの状態に戻ってしまう。その体験を通して、生きている事の素晴らしさや、奇跡を改めて実感するという所に重点が置かれています。

これがつくりものではない実話なのですから、無情なものです。

この映画を見て思ったこと

30年間も「魂の不在」だった患者を薬により目覚めさせて、つかの間の幸せを感じさせる。そして薬がだんだん効かなくなっていくことによって、また幸せが奪われていく。こんな酷い話はありませんが、全て最善の努力をした結果です。

30年ぶりに患者たちが目覚めるシーンは美しく、まさに奇跡の光景です。見るものすべてが新しく、普通に生活できる喜びで溢れています。目覚めた日の夜には、(二度と起きられなくなってしまうかもしれないから)再び眠るのが怖いといいますが、かすかな恐怖心を抱きながらそれでも全てが順調に進みます。

それがだんだんと神経が再び麻痺していき、病気の再発が現実のものとなっていきます。記録のために(最初に症状が現れた)自分をビデオに撮って、他の患者のためにしろと言うのですが、それが何とも痛々しいです。

物語のほとんどが精神病棟で進められますが、物語の最初では全体的に暗い印象を受けます。しかし中盤での「目覚め」によりキャラが引き立ってきたところから、一気に美しくなります。まさに「Awaking」です。そして最後には再び眠ってしまい、元通りに戻ってしまうのですが、もともとの暗さには戻らずに、何か厳かな、神聖な静けさを感じさせます。それは、それぞれの患者の個性や物語を知ったからであり、患者が身近に感じられるようになったからでもあります。

外的な要因によって振り回されてしまう患者と比べたら、(ほぼ)全ての事が自分で決められる今の自分はなんて恵まれているのだろうと、(チープな感想ながら)そうとしか思えませんでした。

ロバートデニーロの最強の演技

この、生きている事を深く考えさせられる映画ですが、ロバートデニーロの最強の演技なくしてはあり得なかったでしょう。これは言いすぎではなく、本当の事です。邦題のタイトルにもなっているレナード役を演じるロバートデニーロは、ここではマフィアではなく、神経を病んでいる患者役です。

robert

物語の後半にかけてだんだんと病気が再発していく様子は、(演技ではなく)本当におかしくなってしまったのかと思わせるほど迫真の演技です。初期のゴッドファーザーや、最近の良いお爺ちゃん役のロバートデニーロとは全く違った演技が見れます。これもこの映画の一つの見どころでしょう。

ロビンウィリアムズの最強の演技

ロバートデニーロもそうですが、ロビンウィリアムズも最強です。最初は人間嫌いで、だんだんと患者と触れるようになって人間に興味の沸いてくる、とっても魅力的なセイヤー医師役です。これも彼無くして成り立つことがなかったと思わせるような迫真の演技です。誠実な役柄を演じさせたらピカイチの彼は、この映画でも本領を発揮します。

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今調べてて初めて知ったのですが、ロビンウィリアムズのヒゲがモジャモジャのためか随分と老けているように見えますが、あのフレッシュな「今を生きる」のたった1年後の作品なんですね。この変貌ぶりにも驚嘆です。

さて、如何でしたでしょうか?

この映画は「ショーシャンクの空に」や、「グッドウィルハンティング」と比べると、少し陰に隠れてしまいますが、これは本当にお勧めの映画なので、是非見てない方は見てみてください。

それでは、また。

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