[映画]Boyhood 6才のボクが、大人になるまで。

私はエンジニアなので結論のない実験は嫌いです。ですが結論のない映画は大好きです。この映画はただ6歳の少年が大人になるまでを撮影した映画で、ストーリー的に起承転結がある訳ではありません。ですが、ものすごく中身の詰まった良い映画なので、今回紹介いたします。


監督 リチャード・リンクレイター
出演 パトリシア・アークエット, イーサン・ホーク, エラー・コルトレーン, ローレライ・リンクレイター
上映 2014年

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見る人を選ぶ映画の正体

この映画は、はっきり言って見る人を選ぶ映画です。好きな人は大好きでしょうし、嫌いな人は嫌いでしょう。その独特なつくりを紹介します。

撮影期間12年間

サブタイトルのとおり、6歳の僕が大人になるまでを描いているのですが、この手の映画は通常なら主人公が大人になるにしたがって俳優が変わります。しかし!この映画は主人公が変わりません。つまり、実際に主人公が成長するのを待ちながら撮影しているのです。

ノンフィクションのようなフィクションのような

なんといっても撮影期間が12年間もありますから、とても撮影開始時に完璧なあらすじはかけません。主人公の成長を見ながら、その成長具合に合わせてストーリーを考えていったようです。結果、ドキュメンタリーのような取り方ではなく、ちゃんとしたストーリー仕立てのフィクションに仕上がっています。フィクションだからこそ作者の伝えたいことが盛り込めると思うので、この選択は間違いなかったと思います。

2時間45分もある映画

この映画、12年間も取り続けただけあって、とても2時間では足りません。結果、2時間45分に仕上がっているのですが、それでも足りたのかどうか、もっと(主人公の成長を)見たいと思える映画です。

オープニングがかっこ良すぎ

オープニングは、主人公の少年が芝生に寝転んでいるところから始まります。バックグラウンドにはColdPlayのYellowをオープニングから流して期待させます。このセンスがたまらなく好きです。

エンディングがバッサリ

衝撃的なエンディングの映画は多くありますが、この映画のエンディングも衝撃的です。さすがに12年間も撮影してきたので何か結論を出して終わるのかと思いきや、バッサリ切ります。この監督特有の余韻を残す終わり方です。

映画のハイライト

この映画はその特質上、ストーリーが語りづらいです。端的に言ってしまえば、主人公の母親が離婚再婚を繰り返すうちに様々な父親に出会って、息子が成長していくという物語なのですが、あまりに内容が発散するので、ここでは父親ごとにハイライトしたいと思います。

最初の父親、イーサンホーク

最初の父親(というか実の父親)はイーサンホークが演じます。すごく男らしくてかっこ良いのですが、若いうちはチャラチャラしている設定で、大学で教鞭をとることを夢見る母親の夢を理解できずに、別れることになってしまいます。その後、週末だけ子供たちと会ったりするのですが、その間に母親は大学教授と恋に落ち再婚することになります。
イーサンホークは母親が再婚後も息子たちを訪れ、キャンプなどに誘い成長させようと試みます。事実、父親の政治思想を引き継いで、主人公はオバマを支持するようになっていきます。
父と息子が一緒にキャンプをするシーンはとても感動的で、日本人にはないアメリカ的な良さがあると思います。
動画をうまく埋め込めなかったけど、父が息子にお気に入りのカントリーソングを社内で聞かせるシーンはとてもいいシーンなので貼っておきます。

2番目の父親は大学教授

母親は大学教師を夢見て大学に通っている間、その教師と恋に落ちて再婚します。この2番目の父親が最悪で、息子に嫌がらせをし、最後にはDVに走ります。この父親とともに小学校高学年を過ごしますが、この頃から少し殻に閉じこもるような性格を帯びてきます。

3番目の父親はアーミー出身

2番目の父親に嫌気がさして、逃げるようにして家出した後は、アーミー出身の若い男性と恋に落ちます。この男性は真面目ですが、手に職がなく金に苦労します。優しい父親ではあるのですが、自分の血がつながっていない子供にお金を使わなくてはいけないという気持ちと、努力しても本当の父親にはなれないという葛藤から、家族と軋轢が生じてしまい、結局彼とも別れてしまいます。

そして最後はシングルマザーに

子供が大学で一人暮らしをしようというとき、母親の感情が爆発します。「いつかこの日が来る事は分かっていたけど、あなた浮かれすぎよ。」この言葉にすべてが詰まっていると思います。大学入学の日、今からの人生を夢見て気持ちが高揚する息子に対し、子育てのすべてが終わって息子が巣立ったら何も残らない母。子育てとはこんなに悲しいものなのでしょうか。映画はこの続きを映してくれませんが、私はそうでないと信じているし、その意味からも監督には是非この続きも取ってもらいたいです。

さて、如何でしたでしょうか?本当はもっと見せたいシーンがたくさんあるのだけれど、今回は父親ごとの紹介に留めておきました。この作品は本当にシーン毎に意味が込められていて、どのシーンもずっしりと心に響くようなメッセージが含まれています。見たことない方は是非一度通して見てください。気に入るようであれば、シーン毎に見直すことをお勧めします。何かきっと新しい気づきをあなたに与えてくれる映画だと思います。

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