「築地ワンダーランド」を見て日本の食文化に誇りを持つ

一見、異質なドキュメンタリー映画「TSUKIJI WONDERLAND」が公開されました。シンガポールはThe Projectorでも上映されているという事で見に行ってきました。そして築地の凄さに圧倒されてしまいました。そこで私が感じた事を紹介します。

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見分けるプロフェッショナル

これは築地市場を1年4か月の間、取材して撮りためた映像をまとめたドキュメンタリー映画です。すべてがノンフィクションで、築地で働く人の生の声が収められています。

まず、築地の機能とは何か。もちろん魚のプロフェッショナルが集まる場所ではあるのだけれども、プロフェッショナルっていうのは、全てを一人でやる人ではないんですね。

釣るプロフェッショナルがいて、運ぶプロフェッショナルがいる。そして見分けるプロフェッショナルがいる。最後にお客さんに提供する料理するプロフェッショナルがいる。築地市場で働く人達は、見分けるプロフェッショナルの人達です。集まってきた魚を選別し、料理人や小売店などの消費者に直接魚を届ける人のために選別する仕事をする人達、つまり仲卸業者なのです。

例えば良い寿司屋を例に取ると、一見、重視されがちな寿司職人。ですがよくよく考えてみると寿司職人だけでは良い寿司は握れない。作品中、「私は受け継いできたバトンをお客さんに確実に渡すのが役目です。」と言った寿司職人さんの言葉がとても印象的でした。

良いものを選ぶだけが目利きの仕事じゃない

築地で働く仲卸業者の仕事って一体、何なんでしょう。

お寿司を例に取ると、魚を取る人がいて実際に握る人がいれば事足りるではないかと思いがちですがそうではないんですね。

「高いものだけがいいものじゃない。目的にあった魚を選ぶのが目利きの仕事。」という言葉にも現れている通り、仲卸業者は、集まってきた魚を確実に必要な人達に届けるのが仕事です。高級寿司屋には高くてもいいからとにかく良いものを。大衆寿司屋には安くて良いものを。

これはプロフェッショナルでなければ言えない言葉だと思います。

なんでも良いものばかりを選ぶだけなら誰でも出来ますが、良くないものの中でも何を選ぶかという事をしなくてはなりません。

さらに、魚は海から上がってくるもの。時化の日には魚は入りません。そんな時にも走り回って世界中から魚を探してお客さんに届けるのが仲卸業者の仕事です。

tsukiji-wonderland

四季のある日本

世界中の魚が集まる築地市場。ここにはいち早く季節が訪れます。春になれば春の魚が出回り、冬の魚が姿を消します。その変わり目を魚の量や質から判断するのも仲卸業者の仕事です。冬になれば多くの魚が太ってきますが、春になれば鰹を食べたいし、夏になれば鮎や鱧を食べたい。秋になれば秋刀魚を食べたい。そんな季節を感じる日本は素晴らしいなと感じました。昔はみんなそうやって季節を感じていたのだけれども、今は流通技術、保存技術が発達しすぎて季節を感じる事ができなくなっている気がします。だからこそ、その感覚を大事にしたいなと思います。

親子3代で仲卸し

うちは仲卸を120年間やってます。こういう人は築地では普通です。築地市場の歴史は80年ですが、戦前から親子何代にもわたってやってきたという人達です。こういう人達はプライドが違います。

「1mm妥協したら、次は2mm妥協してしまう。」という事を言っていましたが、その通りで、これだけのプライドで仕事をしている人達がいるのかと驚いてしまいました。このような姿勢でやってきたからこそ日本は発展してこれたし、それを残さなければならないと感じます。戦後日本が発展してきたスピリッツが残されていると感じました。私も今までいくつかのウェットマーケットを見てきましたが、このようなマーケットは築地が唯一で、だからこその築地なのだなと感じました。

築地からTSUKIJIへ

この映画が世界で公開され、外国人が築地について知ることになります。そして日本人の私がこれだけ感動したように、多くの外国人が感動しています。寿司がSUSHIであるように、もはや築地もTSUKIJIになっていくと感じます。

今後、築地は豊洲へ移転します。出来れば残ってほしかったですが、ずっと続くものなんてないし仕方のない事だと感じます。ただし人はそのまま移るし、築地が築地である理由と言うのは、そこで働く人の中にあると言う事がこの映画に現れています。この人達が働いている限り、豊洲に移動しても世界唯一の市場は失われる気がしません。今後の動きにも注目したいです。

さて、如何でしたでしょうか?この映画を見て、私自身大きな絵を見れるようになった気がします。築地と言う仲卸しの人達が働く現場をドキュメンタリーとして移すことで、食文化、さらには日本の文化まで学べてしまうという素晴らしい映画です。映像もキレイでセンスがあり、映像だけでみても素晴らしい作品です。これは最近のくだらないハリウッド映画よりもよっぽど完成された日本のドキュメンタリー映画。必見です。

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