欧米には女性をエスコートするレディーファーストという文化があります。
車に乗るときは助手席の扉を先に開けて、女性が乗ったのを確認した後にゆっくり閉める。そして自分は運転席側に回って、乗る。
エレベーターから降りるときは、まず女性に先に降りてもらって、その間は扉を抑えている。どんなに『お先どうぞ。どうぞどうぞ。』になっても女性が先。
席に座るときは椅子を引いてあげたり、、、これはちょっとやり過ぎかもしれませんが、とにかく欧米にはそんな文化があります。
車に乗るときに自分勝手に振る舞うのもかっこ悪いし、我先にエレベータから降りるのも感心できませんので、ちょっと見習おうかなと思って意識してみると、これがなかなか難しい。
そして自分が意識するようになると、他人の振る舞いも気になるようになります。
人種がごちゃ混ぜになっているシンガポールという恵まれた環境で、日本男児と欧米男児(?)の違いがよく分かるようになってきたので、今回はそれについて思う事を書きたいと思います。
欧米人の凄さ
シンガポールに移り住み、欧米人が多く暮らすコンドミニアムに住んでみて、初めてこのことに気づきました。欧米人は戸の扱い方が、素晴らしいのです。
例えば、朝。一緒のエレベータに乗るとします。エントランスのある階に着きました。そのときコントロールパネルに近い側の人が扉を開けていたとします。日本人であれば、顔を背けて「すみません。。。」的な感じで先に降りますよね。ですが欧米人の場合は違います。相手が女性であった場合は、顔を見てにこっとして「お先にどうぞ」とやってしまいます。
またコンドミニアムに帰ってくる時。同じコンドミニアムに住んでいる人が先を歩いているとします。彼は自分がドアを開けて入った後に後ろには誰かいないか確認し、もし近くにいたらドアを開けて待ちます。10m先くらいまでこれをします。そして「Thank you.」と言うと、清々しく「No problem.」と返します。
女性にしたら完璧な男。これは惚れてしまいます。冒頭にレディファーストの話を出しましたが、男性に対しても振る舞いは物凄く親切です。
初めて海外に暮らし、欧米人と多く接するようになって、この文化を単純に「いいなぁ。かっこいいなぁ。」と思うようになりました。実際、自分もやってみようと思うと、恥じらいが出てしまったり、何か考え事をしているとついつい忘れてしまって、なかなか自然に振る舞うのが難しいのです。今でもすごいなぁと思います。
日本に帰って気づいた、日本人の凄さ
さて、日本人。欧米人の凄さに気づき、正直、日本男児はダメだなぁなんて海外かぶれみたいな事を思っていた時期が(恥ずかしながら)ありました。
でもある時、ある事に気づいたのです。それは、
「日本人は、人に迷惑をかけないという事に関しては、群を抜いて凄い。」
という事です。
扉の開け方、閉め方にして言うと我々日本人は、「静かに扉を閉めること」に関して間違いなく世界一です。これはほとんどの日本人が気づかずにやっていると思うのですが、半端じゃなく徹底されています。
そーーーーっと開けて、そーーーーと閉める。特に部屋の雰囲気が静かで、人が多い時にはそうします。日本人は人に迷惑をかけないことに関して、世界一だといえると思います。
欧米人と日本人の考え方の違い
さて、このことに気づいて私の考え方も変わりました。欧米人の事を盲目的に見習わなければいけないと思っていたのですが、実はその優しさ、偏屈な見方をすれば「恩を売っている」という事になります。
例えば、10m以上離れてるのに扉をあけて待ってくれていた場合、うれしい反面、待たせてしまっては悪いなと思い、早歩きで歩くことになります。
ただでさえ暑いのに、急いで小走りになって、汗をかく。正直迷惑な時もあります。
日本人と欧米人の考え方をまとめると、
欧米人は自分の事をプラスにしようとしている。
日本人は自分の事がマイナスにならないようにしている。
と言えなくもないでしょうか?足し算の欧米人に対して、引き算の日本人。少しでも出来たことを褒める欧米人に対して、出来ていない事を探す日本人。どちらも一長一短がありますが、これは単純に性格の違いなのだと気づいたのです。
ナショナリティを超えて個人の目指すところとしては、どちらも出来る人間になるという事ですね。人に親切にし、迷惑はかけない。ただ歳を重ねていくのではなく、年々そんな事が出来るようになっていくよう意識したいものです。
さて、如何でしたでしょうか?欧米人、日本人と一括りにしてしまったので、いろいろと反論はあると思います。ステレオタイプで話をしたという事で、細かい指摘は勘弁願います。もう一度言いますが、一番言いたいことは、「人に親切にし、迷惑はかけない」という事です。
さて、今週も残り少し、全力で頑張りましょう。
コメント
こんにちは。初めてのコメントで失礼します。
扉の扱い方でそこまで深く考えられることに驚きます、シンガポリアンとして。私は男性ではありませんが、扉もそういうマナーっていうか、自分なりに相手の役に立たればなと思っていて、この記事を見て、考えを改めさせましたね。自分がしてることがある意味、迷惑かもしれないってことに気づいてないんですよね。日本人なりの気配りも全然ですし、ドアは結構考えずに開けっちゃうタイプなんで、これから気をつけます。人に親切にし、迷惑をかけないって言葉を、意識していきますわ。ありがとうございます。
しゃーるさん、コメントして頂きありがとうございます。しゃーるさんはシンガポリアンの方なのですか?シンガポールにいながら日本と欧米とだけを比べるような記事を書いてしまいました。まさかシンガポールの方に見て頂いていたとは、驚きです。
このブログではレストランなどの飲食店のレビューを中心に、自分の好きな事、思ったことを好き勝手に書いています。もしまた何かの記事を読んで頂くことがあったとして、何か思ったらぜひ教えて下さい。それでは、また。
初めまして。チョンバルマーケットの歩き方を探していて辿り着き、諸々おもしろおかしく拝読いたしました。(とてもためになりました。ありがとうございます。)
欧米系は「”ありがとう”と言われること」に価値を見出している気がしています。よって、扉を開けて待っていてくださる方に対して小走りになる必要は全くなく(小走りはとても日本人ぽいですが)、ゆっくりマイペースに通って、待っていてくれた時間に対する感謝も含めて「ありがとう」とニッコリするので十分な気がしております。本当に急いでいる方は、欧米人でもさっさと行ってしまうかと。
日本人の「迷惑はかけない」、「マイナスにならない」、なんとなく感じていたことを言葉にしていただきました。
YAMADAさん、コメント頂きましてどうもありがとうございます。
最近は更新しておりませんが、このブログを見てくださる方がいる事、とても嬉しく思います。これからも色々やっていきたいと思いますので、たまに時間があり余ってしょうがない時があったらこのブログを覗いてあげてください。少しでもためになりましたら幸いです。
Hugo