タクシードライバーに憧れる日本の若者と、シンガポール政府のタクシードライバーに対する考え方

今日の日経を見ていたら、「新卒が続々とタクシー乗務員を仕事に選ぶ理由」という記事が載っていた。どうやら若者たちは今までになかった感覚で仕事を選んでいるらしい。今回はこのことについて書こうと思う。

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増え続けるタクシードライバーの新卒採用

タクシー会社大手、国際自動車のタクシードライバー採用実績を見てみると、2012年は10人、2015年には109人、そして2017年では180人を目指しているという。タクシー利用自体の需要が増えているかどうかのデータは記事にはなかったが、どうやらタクシードライバーになりたい若者が増えていることは間違いないようだ。

タクシードライバーの印象と言ったら、年配の方で、いろいろ世間を知っているというイメージ。そんな印象のタクシードライバーになりたがる若者が増えているという。これは一体、どういうわけなのか。

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「ホワイトな職場」に感じる違和感

記事のタイトルを見た時に、なぜタクシードライバー?と思ったが、理由を見て納得した。

「残業はないし、連休も多いし、ほかの会社に入社した同級生の話を聞くと、なんてホワイト(労働条件が良い)なんだろうと思う」(召田さん)。

つまり楽だからという事。そもそも「ホワイトな職場」というのはあまりに受け身すぎる考え方で、これにものすごく違和感を感じたのが今回この投稿を書こうと思ったきっかけだ。そもそも「ホワイトな職場」というのは、自分が何をしたいかという事が完全に抜け落ちている。

自分は金魚でなるべく良い水槽で泳ぎたいという事なのだろうか。せっかく大きな海があるのだからそちらを選べば、もっとキレイな場所に行けるかもしれない。もちろん無限に広がる海はキレイな場所だけではない。厳しい場所も、汚い場所もある。

「ホワイトな職場」というだけで職種を選ぶ若者は、「水槽はいずれ濁る。。。」という事が想像出来ていないのではないだろうか。私も歳を取ったのか。「日本の若者よ、大志を抱け。」と嘆きたい。

 「1カ月の勤務は11日です。大学生のときよりも遊んでいるかも」。

これが就職を決める”きっかけ”になるなんて信じられないが、最近の若者は感覚が変わってしまっているのだと思う。

シンガポールのタクシードライバー

日本の若者のいく末を案じてもしょうがないので、これが世界の現実とどの程度離れているか考えてみたいと思う。

話は飛んでシンガポール。私が今住んでいる国だ。ここではなんと、外国人のタクシードライバーを認めない。免許を取るときにシンガポール人である事というのが条件になっている。さらに、30歳以下のドライバーは認めない。政府のタクシードライバー募集のHPにはこんな記述がある。

· You must be at least 30 years old;

· You must be a Singapore Citizen holding a pink NRIC;

政府がこんな規制をしているのも、すべてシンガポール国民を守るため。以前はシンガポールには工場なんかが結構あった。しかしシンガポール政府の大胆な金融政策による急激な発展とそれによるインフレで、シンガポールから撤退する工場が相次いだ。人件費が上がってしまった今、シンガポールで製造業をやる意味はほとんどない。中国なんかは撤退する企業に罰則を与えることで撤退を防いでいるが、シンガポールの場合はもっとスマートな政策だ。

撤退は結構。だけどそれによって溢れたマンパワーは、政府が仕事を作りましょうという姿勢なのだ。そのひとつがタクシードライバー。タクシーのドライバーのほとんどは、キャリアチェンジしてきている。よく聞くのが、工場で働いていたがその工場が閉鎖してしまったケース。つまり、政府が失業者に仕事を与えるように他の仕事が出来るはタクシードライバーにならないように守っている。

「逆に若いドライバーを街にあふれさせたい。『なんでタクシー運転手なの』と聞かれたら、『業界を変えたいからです』と街の至るところで若いドライバーが伝え続ければ、きっと変わると思う」と広村さんは熱を込める。

業界を変えたいのは結構だし、それがWin-Winなら言う事はない。ただし「業界を変えたい」というのが大義名分になって、若いドライバーが増えるだけであったら、これが高齢者の就職難を引き起こしているという事実も忘れてはいけない。

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