八重山諸島に行く前に読んだ本と、見た映画、聞いた音楽

各地の美味しい食べ物や、お土産が写真で並んだガイドブックに良い点もあるけれども、想像力をかきたてられる活字にも良い点がある。

旅行に行く前は、写真ばかりのガイドブックではなく、活字を読もう!

ということで、毎度ですね。最近は旅行に行くたびに、どんな本を読んだか感想を載せています。どの本が良くて、どの本が良くなかったか。今回も例にもれず、載せて行こうと思います。

今回は、八重山諸島に関する本、それに映画と音楽も載せていきます。

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八重山諸島が分かる本

まずは本から。

琉球の宗教(折口信夫)

一番最初に読んだのは、琉球の宗教です。理由は、無料だから。これは青空文庫ですでに活字化されているので、Kindleを使えば無料で読めてしまうんです。

日本の民俗学と言ったら柳田國男。これは、その一番弟子の折口信夫が書いた本(というか小論文)です。ちなみに折口信夫は「おりぐちのぶお」ではなく、「おりくちしのぶ」ですので、お気をつけて。

無料だからという事で敷居が低く、簡単に読んでみたのですが、正直に言って私には難解すぎて、この本に書いてある中で1割も分かりませんでした。その中で、いくつかエッセンスは掴み取ったので紹介します。

  • 沖縄には、日本古来の神道が今でも残っている。(今でもって言っても書かれたのは昭和初期)
  • 沖縄では、儀来如内(ギライカナイ、もしくはニライカナイとも)が“海の果て”にあると考えられている。鬼も神様もそこにいると考えられていた。
  • 天国と地獄を明確に分ける仏教が入ってきていない証拠?考えてみれば、地獄と天国が一緒と言うのはとても興味深い。
  • 女子だけ特別。女子しか入れない場所がある。女子だけしか持てない香炉がある。香炉は神様。
  • 死んで7世代過ぎると神になり、儀来如内に行く。これは西洋とは違う感覚だが、日本人なら理解できることじゃないだろうか?

気になった方はDLしてみては如何でしょうか?無料ですよー。

街道をゆく6 沖縄・先島への道(司馬遼太郎)

台湾旅行の前には、台湾紀行を読みましたが、その土地の歴史が分かる、司馬遼太郎のエッセイ。旅行に行く前にはこれが一番おススメです。

沖縄・先島への道とタイトルにある通り、重点が置かれているのは本島よりもむしろ八重山諸島で、今回の旅にはぴったりでした。たまたまこの本を読む前に、難しい折口信夫の本を読んでいたのもあって、それを補完する意味でも納得することが多かったのが印象です。

例えば、二ライカナイについて。古来、宗教的な意味で空をさす場合、アマ(アマテラスオオミカミなど)と言った。同様に海もアマ(海女さんなどはその名残か?)という。つまり、空も海も、神様が来る場所という意味においては使い分けられていなかった。この感覚は日本人には完璧にわかります。ただし、海から神様が来ると言う感覚は既に薄れてしまっていて、私の場合はあまりしっくりきません。ですが、それが残っているのが沖縄という事です。沖縄人は生粋の倭人という事をこのような例を大量に挙げて(別の言い方をすれば、脱線しまくりで)、話を進めていきます。

ひとつ、このエッセイを通して、司馬さんの思いが伝わってきました。それは、波照間島に行きたくても行けなかった事。波照間島の話を聞く度に、波照間島に想いを馳せていたので、フェリーの性能が上がって欠航率が下がった今の時代(それでも欠航率が80%の月などもある!!)、波照間島にはなんとしても行ってみたいと思いました。

沖縄文化論 忘れられた日本(岡本太郎)

ご存知、芸術は爆発だの岡本太郎。彼も沖縄について文章を残しています。タイトルは沖縄文化論と言うとても仰々しいタイトル。そのタイトルの割には、内容は文化論と言うよりも終戦後の沖縄での旅行記になっています。終戦後のアメリカ植民地時代なので、司馬さんが訪れたのより、もっと昔になります。最初は偏屈な親父かと思っていたけれども、最後の考察に鳥肌が立ちました。さすがは岡本太郎。とても情熱的な文章です。

沖縄がアメリカだった時代だから当たり前なのだけれども、単位がUSDだったのは驚きました。なんだか自分の知っている沖縄ではない沖縄を見ているようで、すこし変な気持になります。まだ、いつ返還されるかも具体的にわからなかった時代なので、全体の雰囲気としては、今の沖縄を見る目とは全く違ったものになっています。

旅の序盤、岡本太郎は、沖縄に“本物”を感じる事が出来ませんでした。旅に何かを求めていたはずなのに、なぜか心にぐっと来ない。ですがあるとき、彼を突然何かを見つけます。それは、必要最低限の道具。カゴや網など、を見た時に美しさを感じました。作られたものではなく、必要最低限としてそこにあるものこそが芸術。洗練された美。この芸術性を語る時の筆はとても冴えています。さすが芸術家だけあるなと納得。

ちなみに、私がしびれたあとがきの考察とは、日本の文明を批判している文章でした。それは、今や日本古来のシンボルともなっている奈良の大仏は、所詮中国からの借り物で、明治政府が西洋に対抗するため埃を落として引っ張り出してきた、いわば西洋の影のようなもので、日本の根っこがそこにはないという考察。なにが文化か考えるための例にしたいような本でした。

太陽の棘(原田マハ)

これは、沖縄が舞台の小説です。旅行に行く前は、その土地に関するエッセイだけでなくて、その土地を舞台とした小説なんか読むと、もっと気分が高まります。

この小説は、画家が主人公の原田マハらしい小説です。最初はあまり読む気がありませんでしたが、佐藤優があとがきを書いているのを知って、購入してみました。

終戦後の沖縄を舞台に、アメリカの精神科医が沖縄に派遣され、そこで画家に出会う話。フィクションだけれども、これが読み進めていくにしたがって面白くなってくる。

フィクションのため、これを鵜呑みにすると、誤った歴史観を持つことになるけれど、フィクションとして見た場合は優れていると思うこの作家は悲劇が書けるようになると、すごい人物になる。

楽しみにしていた佐藤優の解説ですが、これが保守的過ぎて面白かった。とても限定的に褒めていて、褒めているのか分からない程度。日本人の描いた沖縄についての小説の中で一番好きだと言うのが最たる象徴で、そこまでいうのなら、日本人の描いた、外国人が主人公の、沖縄の画家と交わる小説の中で一番好きだって書けばよいのに。もうそしたら、この作品しかないけど。

統ばる島(池上永一)

これもまた小説。沖縄の中でも、八重山諸島の各島でのストーリーが集まった短編集という事で期待して買ったが、これは大失敗。超つまらなかった。表紙のイラストからして危険な匂いがプンプンしていたが、表紙のイラストの通りのストーリー。どうも角川文庫とは相性が悪いらしく、ちょっと距離を置いているのですが、買うたびに失敗します。

会話の織りなし方や、感情表現、それに情景描写などよりも、ストーリー性を絶対視している感じで、最近の娯楽小説はこんな感じなのだろうか。小説を通して何が言いたいかも、おそらく無い。ストーリーだけでみせて、どうだ感動しただろうと言いたげな感じにも嫌悪感が出ます。

八重山諸島が分かる映画

本だけでなく、映画を見るのも良いかもしれません。今回は1本だけ映画を見ました。

ニライカナイからの手紙

これは号泣ものでした。幼い頃にお母さんと別れた女の子が、島で育ち、大人になっていく物語です。本を読んでニライカナイが既に何かを知ってしまっている人にとっては、先が読めてしまうかもしれませんが、それは言及しないことにしておきます。

映像なので、その土地の雰囲気が伝わって来るし、何より景色が視覚的に伝わってくるので、行くのが楽しみになりました。特に、竹富島はとても狭い島なので、滞在中にも、「あの場面で出てきた場所だ!」というのが何回かあり、それも面白かったです。

ニライカナイからの手紙

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八重山諸島が分かる音楽

最後に、音楽も紹介しておきます。

安里屋ユンタ

これは竹富島の、安里クヤマに由来する古謡です。話を書くと長くなるので、書かないですが、竹富島に行くなら、これは必須です。是非ともYouTubeを見てから行ってください。必ずや、地元の方と歌う機会があると思います。

ちなみに現在夏川りみが新安里屋ユンタで、本来の安里屋ユンタはもうちょっと違うんですね。私は2人の方から、新旧両方の安里屋ユンタを聞いたので、両方とも聞いていったらいいと思います。

島人ぬ宝

これは有名な曲ですが、行く前におさらいとして、音楽を聞いておきましょう。

僕が生まれこの島の空を

僕はどれくらい知っているんだろう

沖縄という島を理屈じゃなくて、感覚で知っている。あれこれいう人もいるし、それはよく分からないけど、とにかく沖縄が好きだというのが伝わるとてもいい歌です。

島唄

これもまた大ヒットした曲ですが、歌詞の内容まで知っている人は少ないのではないでしょうか?この曲、実は戦争の事を言っているんです。

詳しくはこちらをどうぞ。

本島の白百合の塔や、平和記念碑などに行く時は、この曲がもっと胸に響いて来ますが、戦争の犠牲になったのは八重山諸島も同じ。沖縄の雰囲気が十分に伝わってきますし、とても素敵な曲なので、この曲を聞きながら沖縄に思いを馳せるのがおススメです。

さて、如何でしたでしょうか?本当はもっとお勧めしたいものがあるのですが、この辺にしておきます。では、次回からはまた旅行記に戻りますので、そちらも、お楽しみに。

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