ヨガをしにバリに行く。
ヨガをやった事がない人に、何故わざわざバリまで行ってヨガをしなければならないか説明する事は難しい、いや無理だと思う。私自身、「今度ヨガしにバリに行くんだよねーっ」と友達に言うと、だいたいいつも「なんでわざわざバリなの?」と言われ、結局いつもうまく答えられない。
だけど、ヨガをしにバリに行く理由は必ずあると思う。何故なら、一度ウブドのスタジオでヨガをやってしまうと、病みつきになってしまうから。うまく理由を言葉にする事は難しいけれど、事実がそうなのだからしょうがない。
バリから帰ってきてすぐ、そのヨガウェアに染みついた虫よけの匂い(Yoga BurnやRadiantly Aliveなどではペットボトルに入った虫よけクリームが置いてあり、自由に使って良い)を嗅いだ瞬間に、気持ちはまたウブドに吹っ飛んでいく。帰ってきたそばから、また行きたい。更にその服を洗濯機にかけた後、干す瞬間も、バリのゲストハウスで手洗いしていた時の事を思い出し、またその瞬間に気持ちはウブドに吹っ飛んでいく。それくらいウブドはヨギー(ヨギー二)を引き付けるものがある。
今回は、その魅力を「すげーすげー」「ちょーやばい」「まじ最高」みたいなチープな言葉ではなく、ちゃんと理由を挙げて自分の言葉で表してみたいと思います。(自分のためにも)
そもそもヨガ(ヨーガ)って?
ヨーガ(梵: योग , yoga)は、古代インドに発祥した伝統的な宗教的行法で、心身を鍛錬によって制御し、精神を統一して古代インドの人生究極の目標である輪廻転生からの「解脱(モークシャ)」に至ろうとするものである。ヨガとも表記される。漢訳は瑜伽(ゆが)。
北米などで流行しているフィットネス的なヨーガは宗教色を排した身体的なエクササイズとして行われているが、本来のヨーガはインドの諸宗教と深く結びついており、バラモン教、ヒンドゥー教、仏教、ジャイナ教の修行法でもあった。現代ではインドのカトリック教会でもヨーガが取り入れられ、クリスチャン・ヨーガとして実践されている。
Wikipediaより
ヨガの精神的な部分を理解するための手引として、あのガンジーも良く引用するバガヴァッド・ギーターという古代インドの古典があります。
私はサンスクリット語を読めませんので、田中嫺玉さんの訳で読みました。(恐らく)超絶難解なこの本を素晴らしく読みやすい訳にしてくれてあるので、ヨギー、ヨギー二はもとより、ヨガの精神的な部分に興味のある人にはおススメです。
この本の中から、ヨガに関わる部分をいくつか引用してみましょう。
アルジュナよ 義務を忠実に行え
そして成功と失敗を等しいものと見て
あらゆる執着を捨てよ
このような心の平静をヨーガと言うのだ
いきなり、すごい事言っています。黙々と与えられた使命をこなし、成功しても失敗しても、平常心でいろと言っています。このままヨガを続けていたら、いつかこんな境地にたどり着くことができるのでしょうか。
善を見て愛慕せず
悪を見て嫌悪せず
好悪の感情を超えた人は
完全な知識(プラジニャー)を得たのである
これもすごい事言ってます。善を見てそれに無条件に従う事もいけないし、悪を見てそれを拒絶しても行けない。まさに何にも動じない慎重な心、つまりは風のない水面のような心です。ギーターでは、ヨガをすればこの境地に達すると言っています
八段階のヨーガを登り始めた初心者は
行為すること(体による修行)が定法であり
すでにヨーガの頂上に達した人は
一切の行為を止めるのが定法である
ヨガとは心の平静を求めるもの。始めたばかりのビギナーにとっては無心にヨガをする事が定法だが、それを極めてしまえばヨガをする事ですら心の平静から取り除けるといっています。つまりヨガによって心を無に近づけて、最後にヨガをとってしまえば、あとは何も残らないという意味です。ヨガをする事が目的ではないのですね。目的は心の平静です。
心を克服した人にとって
心は最良の友であるが
心を克服できない人にとっては
心こそ最大の敵である
現代の自己啓発書みたいな方面からも切り込んできます。ほとんどの人が自分の欲に対して勝つのは難しいですが、それを克服してしまえば最良の友になるのですね。凡人の私にも、いつかこんな日が来るのでしょうか。。。
さて、ギーターの中にはこのような珠玉の言葉がたくさん書かれています。この思想には賛否両論があると思うし、この思想を踏まえて自分の意見を持つことがもっとも大事だと思うので、完全に賛同できなくともいいと思いますが(実際私もこの本の中で賛同出来ることは半分くらい)、これがヨガの古典が伝えている事なのです。このような思想から、ヨガは平静を執拗に求めるのです。
最近のヨガブームで進化したヨガ
オリジナルのヨガについて、古典バガヴァッド・ギーターの詩を引きまくって、ヨガについて説明してきました。昨今のヨガブームはこれらの思想を忠実に踏まえているかと言ったら、恐らく『ノー』で、むしろヨガをして体を鍛える事(エクササイズ)を目的としたヨガが流行っています。顔ヨガとか、指ヨガとか、おっぱいヨガとか、なんとかヨガがたくさんありますが、これらはさらにエクササイズ的な意味合いが強く、なんでも最後にヨガと名前をつければ流行るだろうと、ブームに必死に乗ってる感じがして、私はあまり好きではないです。商業性を感じてなりません。
最近流行っているヨガは、(いろいろ呼称がありますが、その一つとして)パワーヨガといいます。Wikipediaによると、
パワー・ヨーガは、アシュターンガ・ヨーガをベースにしたヨーガで、アーサナを通して肉体に負荷をかけることにより脂肪を燃焼させ、美しい肉体を作ることを目的として主にアメリカで開発された。
ハタ・ヨーガが、1つのポーズをとったまま一定時間静止した上で次のポーズに移行するのに比べ、アシュターンガ・ヨーガをベースにしたパワー・ヨーガは、各種ポーズをストレッチのように一連の流れの中で行うのが特徴である。また、アシュターンガ・ヨーガに比べ、1つのポーズの静止時間は長く、この点ではハタ・ヨーガの要素も取り入れられている。
もっとも、その目的はハタ・ヨーガとは異なり、アイソメトリックな運動によるフィットネスが主な目的。過度な負荷は乳酸を増加させるだけでなく、腰痛、関節痛などを引き起こすことが指摘されていることから実習には注意が必要。
肉体的に健康な若者に人気がある。ハリウッドスターを中心に一大ブームとなり先進諸国に広がったことから「ハリウッド・ヨーガ」ともいう。
との事です。
ウブドでのヨガ
さて、ヨガ自体の説明が長くなってしまいましたが、今回の目的はバリ島ウブドでヨガをする理由です。それを一言で言ってしまうと、
都会的な洗練されたヨガが、田舎の良い環境の中で楽しめる。
私はヨガの思想にも興味があるし、それが一つのヨガに惹かれる大きな理由でもあるのですが、都会的な洗練されたヨガも好きです。音楽とフィットネス的なヨガを融合させたと都会的なヨガをウブドの大自然の中でやると、心が満たされて行くのをじーんと感じます。(本当は、逆に無になっていかなければいけないので、本来意図している所とは逆ですが、私はこれが好きです。)
そしてヨガをやった後の食べ物が文句なく美味しい。他の記事でもたくさん挙げていますが、意識の高いヘルシーなレストラン、カフェがたくさんあります。これもヨギー、ヨギーニ達がウブドに集まる一つの理由でしょう。
ヨガスタジオは、下記リンクでチロッと取りあげましたが、古い記事なので、文章が下手なうえに雑です。興味があればご覧下さいませ。
で、ヨガトリップって結局何するの?
普通にヨガトリップという言葉(そんなのあるのかも知らないけれど)を使っていますが、要するにヨガのために旅行するという意味で使っています。サーフィンのための旅行はサーフトリップなので、ヨガのための旅行はヨガトリップでしょう。(注・ドラッグでぶっ飛ぶトリップではないですよ。)
私が勝手にヨガトリップといっているだけでその明確な定義はないのですが、私のヨガトリップのスタイルを紹介します。それは、
ヨガスタジオ → カフェ(読書) → ヨガスタジオ → カフェ(読書) → ヨガスタジオ → 街スパ
です。
まずヨガで体を動かして心を平静にします。そしてヘルシーな食べ物をたべて、本を読む。時間が来たらまたヨガをする。そしてまたヘルシーな食べ物をたべて、本を読む。またヨガをする。一日の終わりには街にあるスパで体をほぐしてもらって、終了。
あぁ、またウブドが恋しい。
ヘルシーなレストラン(カフェ)の記事の一例はこちら。
まとめ:ヨガトリップのススメ
さて、自己中心的な記事になってしまいましたが、私がバリにヨガをしに行く理由が分かってもらえましたでしょうか?
散々書いて来た通り、バリにヨガに行く理由はただそこにスポーツ(フィットネス)をしに行くのとは違って、自分の内面を鍛える、もしくは自分探し的な要素も含まれています。この部分があるからこそ、知れば知るほど魅力的になっていく部分もあるのでしょう。まだ足を踏み入れていないけれど、興味があるという人は是非初めの一歩を踏み出してみては如何でしょうか?
それでは、今回はこの辺で。ではまた。
コメント
最近ヨガを始めたアラフォーです。20代に何度も行ったバリにヨガトリップするのを目標にヨガを続けます。何だかわくわくしてきました。ステキな記事をありがとうございました。また覗かせて頂きます。
ayuayu630さん、はじめまして。嬉しいコメントありがとうございます。バリに何度も行かれたというのは、スキューバダイビングとか、サーフィンですか?私の場合20代の初めはサーフィンでバリに取り憑かれ、今はヨガでバリに取り憑かれています。
バリへのヨガトリップですが、私が人生初めてヨガのレッスンを受けたのが実はウブドのヨガバーンで、そこで一気にハマりました。恋に落ちた感覚です。自然の中での朝の光と、音楽と、心地良い汗、あとその場の雰囲気に圧倒され、鳥肌が立ってゾクゾクしました。毎回それを味わえる訳ではないけれど、バリに行くモチベーションというか、また行きたくなる理由はそこから来ています。ヨガを始めたばかりでも楽しめる場所だと思いますよ。
また何か気になる記事がありましたら気軽にコメント下さいませ。笑
お返事ありがとうございます。20代の頃バリに通っていたのはBF(日本人)がバリで仕事をしていたので会いに行ってたのですよ・・・甘酸っぱい思い出でございますW
若かったのでお金もあまり無くバリ人家庭にホームステイしておりました。川でマンディ・毎日お祈り・市場に買い物・赤ちゃんの御守・お祭りに続くお祭り・・・・色々な刺激を受けました。あー!!懐かしい!!彼とは私が結婚を懇願するも断られ泣きながら日本に帰って参りました。←若気の至りですね。
今度はヨガをしに絶対バリに行きます。自分の為に。もちろんゲストハウスに泊まろうと思います!